柔軟か変節か、または裸踊りか

  今朝、朝日新聞を何気なく開くと

 「リフレ派」最後まで強弁 岩田日銀副総裁が講演

 という一節が目を引いた。

 

 5年前の就任時。岩田副総裁は2%の物価目標は2年で達成できると主張し、達成できなくても「自分たちのせいではないと言い訳しない。最高の責任の取り方は辞職だ」と言い切ったという。
 

 あれから5年。

 

 今でも、物価は2%に届いていない。日銀のホームページにアップされた岩田副総裁の昨日の講演録をみると、物価が上がらないのは、原油価格の下落と消費増税のせいにしていた。やっぱり言い訳してる(笑)


 岩田副総裁は、マネタリーベースさえ増やせばデフレから脱却できるとは言っていない、と語ったそうだけど、そうだったっけ?

 

 そもそも13年4月の異次元緩和は、白川総裁時代の金融緩和は生ぬるいといって、マネタリーベースを2倍にしたはず。

 

 新聞に批判的なトーンで記事を書かれても、しょうがない感じはする。


 岩田副総裁が、柔軟なのか、変節したのか、評価は人によって分かれるところだろうけど、ご自身は「進化した」と自賛しているそう(笑)


 個人的には貨幣数量説はあまり説得的でない(というか、今回それを証明してしまった)と思う。そもそも日銀当座預金を増やすと物価が上昇するメカニズムが思いつかない。誰か教えてください。
 

 ぎりぎり、中央銀行がかなり極端なことを行うことで人々の期待に働きかけるルートは想定できるので、当座預金100兆円にしてみますと宣言したらインフレ期待が上昇するかもしれないけど。だとしたら「2%の物価目標が達成するまで日銀総裁が裸踊りする」と宣言しても同じ効果がありそう。ないかな。