指し値記念日

 日銀が国債を無制限に買い入れる指し値オペを実施した。

 日銀は現在、長期金利を「0%程度」に誘導する政策を採用しているが、市場では日銀が金融緩和を正常化するとの思惑が浮上。長期金利は日銀が金利上昇を容認する値幅0.1%(10ベーシスポイント)に接近していた。
 
 ただ、今回の指し値オペの水準は0.11%と市場の実勢利回りより高かったため、誰も応じず、日銀は実際には国債を買っていない。


 つまり威嚇のための空砲。市場に向かって「これ以上、金利上げたら許さないぞ」という日銀の意思表示なのだ。

 

 今回市場で利上げ観測が広がったのは、年明けに日銀が国債の買い入れを減額したのがきっかけ。さらに黒田総裁がダボス会議で「2%の物価目標の実現はようやく近づいている」と強気の発言をしたのが拍車をかけた。

 

 それで円高金利が上がると、今度は慌てて岩田副総裁が、「利上げ観測は市場が誤解している」と火消しに回り、日銀は国債買い入れを逆に増額して市場をけん制している。

 

 なんか日銀の自作自演というか独演会というか。金融市場を巻き込んだ巨大なマッチポンプ感があって、なんだかなと思わなくもない。

 

 ちなみに昨年の2月にも日銀は長期金利の急上昇に直面し、指し値オペを行っている。このときは米国のトランプ大統領が、日本は円安誘導しているなどと批判し、日銀は金利を引き上げるとの思惑が広がったようだ。

 

それから1年。

 

 金利が10ベーシスに上がるから2月2日は指し値記念日。