10年周期

 世界的に株価が乱高下している。

 

 5日のNYダウは1175ドル下げ、過去最大の下落。6日は500ドル以上下げた後、逆に567ドル高まで切り返した。

 

 日経平均は6日は1071円の下げ。7日は一時700円高となったものの、終値は35円高と大きく失速した。ボラティリティーが大きすぎて、さながらジェットコースターのよう。

 

 日米ともこれまで株価上昇を謳歌してきたけど、金融政策が世界的に正常化の方向に向かっているから、株価のトレンドが変調したのだろうか。すぐには判然としないだろうけど、あとで振り返ってみてここが転機だった可能性はどのくらいあるのだろうか。

 

 過去をみると

 

 1987年ブラックマンデー

 1997年アジア通貨危機

 2008年リーマンショック

 

 だいたい10年周期で何らかのショックが起きている。2018年。危機は今年ですか?

 

 本当に危機になったら、FRBだって利上げどころじゃないし、日銀は何するのかな。

 マイナス金利の深堀り?

 マネタリーベースの再拡大?

 ETFの増額?

 

 市場では黒田総裁の続投観測が根強いけど、今は辞め時としてベストかもしれないな。

指し値記念日

 日銀が国債を無制限に買い入れる指し値オペを実施した。

 日銀は現在、長期金利を「0%程度」に誘導する政策を採用しているが、市場では日銀が金融緩和を正常化するとの思惑が浮上。長期金利は日銀が金利上昇を容認する値幅0.1%(10ベーシスポイント)に接近していた。
 
 ただ、今回の指し値オペの水準は0.11%と市場の実勢利回りより高かったため、誰も応じず、日銀は実際には国債を買っていない。


 つまり威嚇のための空砲。市場に向かって「これ以上、金利上げたら許さないぞ」という日銀の意思表示なのだ。

 

 今回市場で利上げ観測が広がったのは、年明けに日銀が国債の買い入れを減額したのがきっかけ。さらに黒田総裁がダボス会議で「2%の物価目標の実現はようやく近づいている」と強気の発言をしたのが拍車をかけた。

 

 それで円高金利が上がると、今度は慌てて岩田副総裁が、「利上げ観測は市場が誤解している」と火消しに回り、日銀は国債買い入れを逆に増額して市場をけん制している。

 

 なんか日銀の自作自演というか独演会というか。金融市場を巻き込んだ巨大なマッチポンプ感があって、なんだかなと思わなくもない。

 

 ちなみに昨年の2月にも日銀は長期金利の急上昇に直面し、指し値オペを行っている。このときは米国のトランプ大統領が、日本は円安誘導しているなどと批判し、日銀は金利を引き上げるとの思惑が広がったようだ。

 

それから1年。

 

 金利が10ベーシスに上がるから2月2日は指し値記念日。

柔軟か変節か、または裸踊りか

  今朝、朝日新聞を何気なく開くと

 「リフレ派」最後まで強弁 岩田日銀副総裁が講演

 という一節が目を引いた。

 

 5年前の就任時。岩田副総裁は2%の物価目標は2年で達成できると主張し、達成できなくても「自分たちのせいではないと言い訳しない。最高の責任の取り方は辞職だ」と言い切ったという。
 

 あれから5年。

 

 今でも、物価は2%に届いていない。日銀のホームページにアップされた岩田副総裁の昨日の講演録をみると、物価が上がらないのは、原油価格の下落と消費増税のせいにしていた。やっぱり言い訳してる(笑)


 岩田副総裁は、マネタリーベースさえ増やせばデフレから脱却できるとは言っていない、と語ったそうだけど、そうだったっけ?

 

 そもそも13年4月の異次元緩和は、白川総裁時代の金融緩和は生ぬるいといって、マネタリーベースを2倍にしたはず。

 

 新聞に批判的なトーンで記事を書かれても、しょうがない感じはする。


 岩田副総裁が、柔軟なのか、変節したのか、評価は人によって分かれるところだろうけど、ご自身は「進化した」と自賛しているそう(笑)


 個人的には貨幣数量説はあまり説得的でない(というか、今回それを証明してしまった)と思う。そもそも日銀当座預金を増やすと物価が上昇するメカニズムが思いつかない。誰か教えてください。
 

 ぎりぎり、中央銀行がかなり極端なことを行うことで人々の期待に働きかけるルートは想定できるので、当座預金100兆円にしてみますと宣言したらインフレ期待が上昇するかもしれないけど。だとしたら「2%の物価目標が達成するまで日銀総裁が裸踊りする」と宣言しても同じ効果がありそう。ないかな。